サポーター向け説明会のご報告


これまでOKシードプロジェクトでは、4回(9/27、10/1、10/2、11/29)のサポーター向け説明会を実施しました。
遅くなりましたがそのご報告をさせていただきます。


「ゲノム編集」とは何か、従来の「遺伝子組み換え」とはどう違うのか、そして、「ゲノム編集」は自然界の変異と変わらないから安全というのは本当なのか……等々、皆さんが心に抱いている疑問に対し、詳しい説明がありました。

ゲノム編集の仕組みや働きなど、専門用語も多く難しい内容でしたが、サポーターの皆さんからは、「想像以上に良かった。」「分かりやすかった。」「OKシードプロジェクトを周囲に拡げていきたい。」など、数多くの肯定的なメッセージをいただきました。

お忙しいところご参加いただき、本当にありがとうございました。サポーターの皆さんが「ゲノム編集」についての理解を深め、科学的根拠に基づいた知識で、一般的に報道されている内容や政府の説明が正しいのか、そうでないのかを自分の頭で考え、判断して周囲に発信していただければ幸いです。

内容の一部をご紹介します。


1 「ゲノム編集」は正確に安全に品種改良できる技術である【○か×か】
「ゲノム編集」はマーケティング用語で、あたかもきれいに思い通りに遺伝子を切り貼りできそうなイメージだが、イメージとしてはハサミではなく手榴弾が適切だと研究者も認めている。
正確に、狙った遺伝子を破壊することができるわけではない。今、日本で許可されている「ゲノム編集」は遺伝子を破壊したままにする技術のみで、その先にどう変化していくのかは、誰にも分からない。
今後は、破壊した部分に化学物質をはめ込んで固定したり、他の遺伝子を挿入したりする技術も認められる可能性がある。

また最近では、狙った遺伝子以外のものを破壊してしまうオフターゲットだけでなく、狙い通りの遺伝子を壊すオンターゲットも大きな問題になっている。
一つの遺伝子を壊すために1千万ほどのCRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)を送り、遺伝子を連続攻撃するために、染色体破砕が起きるということが科学誌『Nature』にも掲載された。


2 外部の遺伝子を挿入せず、既存の遺伝子を挿入するだけなので遺伝子組み換えには当たらない。今まで数年~数十年かかっていた品種改良の時間が大幅に短縮できる画期的な技術である。【○か×か】

「ゲノム編集」は遺伝子組み換え技術と同様に、バクテリアの遺伝子由来のCRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)を入れたり、抗生物質耐性遺伝子、カリフラワーモザイク遺伝子などを挿入したりしている。
外部の遺伝子を挿入しているので、既存の遺伝子を挿入するだけではない。さらに魚の場合、外部遺伝子が入っていないものにするためには『戻し交配』が必要で、世代を重ねる必要があるため、お金も時間もかかる技術である。

また、改めて品種改良というものについても考えさせられた。
それは、寒さに強いとか、飢餓に強いとか、乾燥に強いなどの品種改良は、その生物の遺伝子以外のところで行われているということだ。
親の代で飢餓を体験すると次の代も飢餓に強くなるが、遺伝子には何の変化も起こっていないそうだ。働きバチと女王バチの違いもエサの違いだけで遺伝子は同じ。

遺伝子を欠損させるゲノム編集は、品種改良ではなく、全く違う生物を作ってしまうということになる。この生物がどう進化していくのかが誰も分からない。


3 自然のものとは区別できないので、表示義務を課すことは不可能。【○か×か】

ゲノム編集は検出可能。必ず痕跡を残すので、どの遺伝子を壊したのかを開示すれば、検出できる。
また、遺伝子を連続攻撃する現象は通常起こらないため、自然界では起きない変異をもたらす。


4 日本政府は「自然界で起きている変異と何ら区別できず、健康に問題が起きるとは考えられない。」という根拠のない理屈で、ゲノム編集食品の表示も安全性審査も不要で流通可能としている。

今後ゲノム編集された食べものを食べたくない人の選択する権利を守るためには、『OKシードマーク』を、タネをはじめとする食品につけていくことがとても重要。


質疑応答では、「気候変動による食料危機に対応するためにはゲノム編集技術が必要なのか。」
「ゲノム編集では、遺伝子を連続攻撃するために染色体破砕が起きるということが科学誌『Nature』にも掲載されたということだが、アメリカではどのような反響があったのか。」
「小学校にゲノム編集の苗を配ることに、文科省はどう考えているのか。食べた人への影響は、研究されているのか」など、様々な質問が寄せられました。


私個人の学びとしては、「ゲノム編集」技術を理解すればするほど、人間に限らず、命ある生き物に対し、身勝手な人間の都合で生命の根幹である遺伝子を壊したり、変異させたりすることへの抵抗感が一層強くなりました。
また、ゲノム編集トマトの配布や、ゲノム編集小麦・じゃがいもの屋外栽培については危機感を超え、絶望的な気持ちになりました。

考えすぎなのかも知れませんが「暴走する生命 Life running out of Control」と「パーシー シュマイザー モンサントとたたかう」という映画を見た際、
カナダでは交雑(遺伝子汚染)ですべての菜種と大豆に遺伝子組換えの遺伝子が入ってしまい、それにはターミネーター遺伝子が含まれているため、発芽時にタネが自殺するので、タネを買うしかなくなったと知ったからです。
壊された遺伝子は2度と元には戻らず、未来永劫子孫にまで影響します。それを簡単に、何百万年もの間、自己回復と自己バランスを保ってきた地球の生態系に放つことは、絶対にやめてほしいと強く思いました。


OKシードプロジェクトでは、サポーター向け説明会とは別に、「学習会」を随時開いています。こちらもサポーターの方はオンラインで出席していただけます。
次は1月20日に、「消えた雑穀品種名」というテーマで、岩手の雑穀を例に品種の多様性などについて講師岩泉好和さんを招いて開催する予定です。
  〇サポーター登録はこちら→ https://okseed.jp/supportus.html


皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。今後とも、よろしくお願い致します。


サポーター担当 もみじ


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